風の影響を受けやすい屋外のスポーツ。
それも風速が8mほどになるとかなりの風力で、ほとんどのスポーツが大きな影響を受けることになります。
今回は、風速8mの風について調査。
どのくらいの体感の風なのか、そして風によって特にどのようなスポーツに影響が出るのかをじっくりと解説します。
風速8mとは
まずは風速8mがどれくらいの風か、その定義を解説します。
風速8mの定義
「風速」というとき、表記はしませんがそれは10分間の平均値。強くなったり弱くなったりする風を続けて計測し、10分間の平均値を計算して「風速○m」というのです。
また10分間の風速が最大になったときを「最大風速」と表現します。
そして風速8mは、1秒間に空気が8m移動するということ。
時速に換算すると、毎秒8m×60秒×60分で2万8,800m。つまり時速約29kmになります。
制限速度30kmの道で車から手を外に出したときの風ということですから、かなりの強さですね。
風速8mの体感
風の体感についてはビューフォート風速階級で分類されています。
ここでは風速8m前後の部分をご紹介しましょう。
風速 | 名称 | 陸上の様子 | 海上の様子 |
5.5〜7.9m | 和風 | 砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞う。 | 小さな波が立つ。白波が増える。 |
8.0〜10.7m | 疾風 | 葉のある灌木が揺れ始める。 | 水面に波頭が立つ。 |
10.8〜13.8m | 雄風 | 木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる。電線が唸る。 | 白く泡立った波頭が広がる。 |
13.9〜17.1m | 強風 | 大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくい。 | 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。 |
17.2〜20.7m | 疾強風 | 小枝が折れる。風に向かって歩けない。 | 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、泡は筋を引いて吹き流される。 |
風速8mは「疾風(しっぷう)」。
木がざわざわと揺れ、水面に波頭が立つくらいの風になります。
気象庁が「春一番」を認定するのも風速8m以上ですから、それほどの風ということになります。
そしてこの「風速」が10分間の平均であるところが注意点。ずっとこの風が吹き続けるわけではありません。
最大瞬間風速
10分間の平均である「風速」よりも短時間の風を表すときは、3秒間の平均値をとった「瞬間風速」を使います。
瞬間風速のうち風が最も強くなったときは「最大瞬間風速」と表現。この最大瞬間風速は、風速の1.5倍から2倍になると言われています。
つまり風速8mの場合、最大瞬間風速は12〜16mになるということ。
風速16mは「強風」ですから、大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくくなることもあるのです。
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風速8mで大きな影響を受けるスポーツ
かなり強い風となる風速8m。
スポーツにはどのような影響があるのでしょうか。
マリンスポーツ
最も大きな影響を受けるのはマリンスポーツです。
平均的にも「水面に波頭が立つ」ほどの風で、瞬間的には「波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される」ほどになりますから、多くのマリンスポーツが中止になります。
例えば釣りは、海がシケているため、磯も船も危険。多くの釣り船の船長は出航中止を決定します。
サーフィンは波の面が乱れるため楽しめなくなる風力。SUPやカヤックは風に流されるためさらに危険です。
一方でウインドサーフィンはエキスパートなら楽しめる風速。ただし初心者にとっては危険なレベルの風です。
球技
球技の中でも野球とサッカーは風で中止にはしないスポーツ。
野球は風速8mだとフライを追うことがかなり難しくなりますが、なんとか対応できる範囲です。
サッカーはロングパスなどの高いボールが風に流されますが、それ以外は特に問題なくプレーできます。
影響が大きいのはテニス。風速8mを超えるとトスを上げることが難しく、ロブを上げれば流されてアウトになります。まともにプレーすることはほとんど不可能。場合によっては中止にすべき風速だといえます。
ゴルフ
自然を相手にする競技がゴルフ。そのため風であまり中止にはしないものの、風速が8mにもなると大きな影響を受けます。
冬場のゴルフ場では風速5mはよくありますが、8mだと「今日は風が強いな」と感じるイメージ。
風速8mのアゲインストの場合、ドライバーは普段の8割ほどの飛距離になるのが一般的です。アイアンは7割ほどの飛距離となります。
フォローの場合は風の影響が少し小さくなり、ドライバーなら1.1倍の飛距離。アイアンなら1.15倍の飛距離になります。
もちろん打ち方の癖によっても飛距離は大きく変わってきますから、自分が強風時にどれくらいの影響を受けるのか、把握しておくことが大切です。
ロードスポーツ
危険が大きいのは自転車。公道での自転車レースは、風速が6mを超えると横風で横転したり流されて車に衝突したりする危険が増すため、中止を検討する必要があります。
マラソンなどの長距離走が困難になるのは風速10m程度。しかし風速が4mを超えると向かい風でかなりの体力を消耗することになります。風速8mは限界に近い風。特に子どもも参加する市民マラソンでは、中止を検討する状況となります。
登山・キャンプ
山では風速が5〜6mを超えることはよくあり、風速8mでも雨や雪がなければ登山は可能です。しかし冬には体感温度の低下も問題になるため、入念な準備と中止の検討も必要になります。
そして風速8mでのキャンプはかなり困難。
強風対応のテントでなければポールが折れる可能性があり、タープを立てることも難しくなります。バーベキューなど、外で火を起こすのも危険。キャンプは中止にすべき風速だといえるでしょう。
まとめ
春一番ほどになる風速8mは、野外で快適に運動ができる限界を超えた風。
多くのスポーツが「まともな試合にならない」ほどの影響を受けることになります。
野外のスポーツは雨や雪がなければ決行しがち。しかし風速8mを超えるような風が予想される日には中止も考慮した方が良いかもしれません。
特にマリンスポーツでは、風速8mは非常に危険だと考えるようにしてください。
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