水泳の動きの中でも特殊なものの一つがドルフィンキック。
うねりが入るため上手くできないという人も多いテクニックです。
しかしドルフィンキックはバタフライには必須。潜水をするときにも多くの泳ぎ方でドルフィンキックが必要になります。
今回は、ドルフィンキックのコツと練習方法を解説。
コツを押さえて練習すれば、泳ぎ全体の上達にもつながるかもしれません。
【ドルフィンキック】コツ
ドルフィンキックに限らず水泳全般でうまく進むためのポイントは2つあります。
①:前に進むための推進力を効率よく得ること
②:推進力を維持するために水の抵抗を減らすこと
練習をするときは、つい推進力に意識を取られて動きを強くしてしまいがち。
しかし水の抵抗を減らすことはとても重要で、これがうまくいかないと動くたびにブレーキをかけることになってしまいます。
ではドルフィンキックで推進力を得ながら水の抵抗を減らすには、何を意識すればいいのでしょうか。
重要な4つのコツをご紹介します。
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コツ① うねろうとしない
ドルフィンキックはうねりを使う泳ぎ方。
しかしそれを意識しすぎるとつい身体を大きく動かしすぎ、水の抵抗を受けることになってしまいます。
これでは推進力を得にくくなる上にブレーキばかりがかかってしまうのです。
最初のコツ①は、わざとうねろうとしないことです。
ドルフィンキックのうねりは身体の使い方によって自然と生まれるもの。正しい動きを覚えれば、自然にうねる感覚が身につくはずです。
コツ② 強く蹴ろうとしない
自分からうねらないことにも通じますが、重要なコツ②は、強く蹴ろうとしないことです。
強く水を蹴ろうと意識すると膝を大きく曲げてしまいがち。
ドルフィンキックで推進力になるのは、確かに足の甲で水を押す力です。
しかし強く蹴ることを意識して膝を大きく曲げると、横から見て上下に広がった形になり、水の抵抗が大きくなってしまいます。
膝の曲げは小さくし、足の甲でしなやかに水を打つことが重要。
これによって身体が自然に反り、その反動で足が自然に浮き上がって元の位置に戻るのが理想です。
足の甲で水を押して推進力を生みながら、いかに抵抗を減らせるかを意識してください。
コツ③ みぞおちから上を固定する
ドルフィンキックでうねりを意識すると、頭が大きく上下動しがち。
これでは水の抵抗ばかりが大きくなってしまいます。
水の抵抗を減らすために重要なコツ③は、みぞおちから上を固定すること。
といっても腹側のみぞおちから上を固定することは難しいため、背中の上部を固定するよう意識します。
実際には自然なうねりによって頭は多少動きますが、みぞおちから上を固定する意識を持つことで無駄な上下動を抑えることができるのです。
コツ④ 股関節を使う
ドルフィンキックで最終的に水を押すのは、膝下のキック。
しかし主な動作には股関節と骨盤を使います。
この股関節と骨盤を意識するのが、コツ④です。
膝から下はむしろ力を抜き、股関節の動きをしなやかに伝達するよう動かします。
またドルフィンキックは腰から動かすとも言われますが、腰を大きく使うよう意識すると動きが無駄に大きくなってしまいがち。
腰よりも、股関節と骨盤をしっかり動かすよう意識します。
特に重要なのは股関節の内側。
正しいドルフィンキックでは、打ち込むときに股関節が内旋します。
この動きを意識するとキックが適正な幅になり、無駄な動きが減るはずです。
【ドルフィンキック】練習方法
ドルフィンキックは主にバタフライで使うキックですが、いきなりバタフライを行うのはNG。手の動きを意識してしまい、キックの上達が遅くなります。
まずは順を追って練習するのがお勧め。
その練習方法を解説します。
陸上での練習
実際に泳ぐ前に、まずは陸上に立って正しい動きを練習します。
①腰に手を当てて立ち、背中と腰をまっすぐ伸ばしたまま、腰を後ろに押し出して胸を前に出す
②腰をまっすぐな位置に戻し、膝を少し曲げながら背中を弓なりにして腰を前に出す
③腰を元の位置に戻す
これを連続で行うのがドルフィンキックの動きです。
ここでも実際には骨盤と股関節を動かすことを意識し、体が自然にうねるよう練習してください。
ストリームラインでの練習
ストリームライン(けのび) は、頭を挟むように両腕をまっすぐに伸ばし、頭の先で手を重ねた姿勢。
水泳で最も水の抵抗が少なくなる姿勢です。
ドルフィンキックはこのストリームラインでの練習が効果的。
ストリームラインの状態なら、手の指先だけで体の向きを変えることができます。斜め上に向ければ身体は反りながら浮かび、斜め下に向ければ足が上がって沈んでいくはず。
これを利用して、指先を下げながらキックを打ち、キックを打ったら指先を少し上に向けて身体を自然と反らせ、また指先を下げてキックを打つのです。
この練習で自然なうねりの感覚を身につけてください。
壁キック
ドルフィンキックの推進力をチェックできる練習方法が壁キック。
プールの壁に手をつけて肘は少しだけ曲げ、顔は水に沈めた状態でドルフィンキックを行います。
身体をうまく使って推進力を生み出せていれば手にその推進力を感じるはず。
ドルフィンキックが上手くできていないと、手にはあまり力を感じず、大きな波音が立ってしまいます。
繰り返して行なっているうちに、どのようなキックなら効率よく推進力を得ることができているのか掴めるはずです。
まとめ
ドルフィンキックは特殊な動きをするためについ動きが大きくなってしまいがち。
しかし推進力を効率よく得ながら水の抵抗は増やさないという水泳の基本原則は全く同じです。
特に重要な「水の抵抗をより減らす」という感覚は、練習を重ねて身につけるもの。
常に水の抵抗を意識することがポイントになります。
今回ご紹介したコツを押さえて練習し、しなやかで効率の良いドルフィンキックを習得してください。
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