将棋のルールや駒の動かし方を覚えた人がいきなりぶつかるのが「どうやったら勝てるのか」という問題です。
最初はなんとなく攻めて相手のミスを待つだけの将棋になりがち。
そこから脱するには、まず何をすれば良いのでしょうか。
今回は、将棋の初心者向けガイド。
将棋を始めたばかりの人が勝つために必要なことを解説します。
ぜひご参考にして、脱初心者を目指してください。
【将棋】勝つためにすべきこと
将棋の最終的な目的は相手の王将(玉)を先に取ること。
しかしいきなり取れるわけはありませんから、局面を少しずつ有利にしていくのが将棋というゲームの基本になります。
そのためには何を意識すれば良いのでしょうか。
序盤・中盤・終盤を意識する
まず意識すべきなのは、将棋には序盤・中盤・終盤があるということです。
・序盤:自分の王将(玉)の囲いを作る
・中盤:互いに攻め合う
・終盤:相手の王将(玉)を追い詰める
将棋を始めたばかりの人はいきなり相手を攻めてしまいがち。
しかし序盤は相手の戦法を見ながら自分の守りを固めるもので、駒同士を取り合うことはほとんどありません。
一転して中盤は互いに攻め合う局面。
少しでも自分が優位になるよう、陣形を作り、相手を攻めます。
中盤と終盤の境目は曖昧ですが、中盤までの有利な状況を生かして相手の王将(玉)を追い詰めるのが終盤です。
それぞれの局面に合わせて動くことが必要。
つまり序盤から守りを無視して攻め込んだり、まだあまり有利ではない中盤なのにやみくもに相手王将を攻めたりするのは得策ではないのです。
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駒得をする
中盤で駒を取り合うとき、得をしているのか損をしているのかを常に考えるようにします。
例えば角で桂馬を取れるけど、直後に角を取られてしまう場合、結果として相手の桂馬と自分の角を交換したことになり、かなり損をしたと言えるのです。
駒の価値は以下のような順になります。
飛車 ≧ 角 > 金 ≧ 銀 > 桂 ≧ 香 > 歩
できるだけ相手に取られずに取るようにし、交換する場合も相手の強い駒と自分の弱い駒を交換することが重要。
この「駒得」は中盤の最も重要な要素になります。
成駒を作る
ほとんどの駒は敵陣に入れば「成る」ことができ、動ける範囲が広がります。
かなりの戦力アップで駒の価値が高くなりますから、成駒を作ることが重要な戦術になるのです。
ある意味ではこれも駒得のひとつ。
逆に相手の駒を成らせることは損になりますから、簡単には成らせないことも重要です。
相手の王将(玉)を追い詰める
中盤までは駒得や成駒で局面を有利にしていきますが、最終的な目標はあくまでも相手の王将(玉)を追い詰めること。
終盤に入ったら判断基準は変わり、たとえ駒損してでも相手の王将(玉)を追い詰めることを優先します。
【将棋】勝つために覚えること
将棋は長い時間をかけてその戦い方が研究されてきたゲーム。
勝つためにはゼロから自分で考えるのではなく、これまでに編み出された勝つための方法を覚えることが近道になります。
戦法
戦法はどのような方針で戦うかという、勝つための近道。
プロの棋士もほとんどの場合は過去に先人が編み出した戦法から選択し、局面に応じてアレンジしながら戦っています。
例えば角を交換してから攻めていく戦法や、上からの守りを堅くして相手の攻撃を有利に受ける戦法など。
それぞれの戦法は狙いがはっきりしていますから、戦法を覚えれば、目的を持って序盤・中盤を戦うことができます。
戦法は大きく分けると「居飛車」と「振り飛車」の2種類。
ただしここから膨大な数の戦法が編み出されていますから、全てを覚えるのは不可能です。
まずは自分に合うと思った戦法を1つか2つ覚えるようにしてください。
囲い
囲いは主に金2枚と銀1枚をうまく配置して王将(玉)を守る形のこと。
序盤にそれぞれの囲いを作るときは、これも先人が編み出したいくつもの囲いの形から自分に合ったものを選んで作っていくことになります。
この囲いは戦法とセットになっているもの。
戦法を覚えるときにそれぞれに合った囲いも覚えるようにします。
ただし上からの攻撃に強いもの、横からの攻撃に強いものなどそれぞれに特徴があり、相手の戦法によっては相性が悪い囲いもありますから、いくつか覚えておくと良いかもしれません。
手筋
手筋とは駒の使い方のテクニック。
それぞれの駒の特徴を生かし、良い可能性が高い手や手順が「手筋」として研究されています。
角が斜めに動ける特性を活かして王手飛車取りなどを狙って打つ「両取りの角」や、桂馬の特性を活かして飛び跳ねる先の両方に駒がある位置に打ち、どちらか一方は確実に取れるようにする「ふんどしの桂」など、数多くの手筋が存在。
駒得や成駒のためにも、相手の王将(玉)を追い詰めるためにも、多くの手筋を覚えておくことが武器となります。
詰みのパターン
終盤は相手を追い詰めるゲームになりますから「こうすれば詰み」というパターンを覚えて、その形に持ち込む必要があります。
そのためには「詰将棋」をするのが最も簡単な方法。
一手で終わる「一手詰」の簡単な問題から始めて、「三手詰」や「五手詰」にステップアップしていきます。
「三手詰」や「五手詰」になると相手も駒を動かすことになり、いきなり難しくなりますが、これが「指し手を読む」ということ。
1人でもできる詰将棋は、詰みのパターンを覚えるだけでなく、数手先を見越した指し方の勉強にもなるのです。
まとめ
将棋は先人たちの研究がとても進んでいるゲーム。
それぞれの戦法や囲いの解説書、手筋や詰将棋の問題集もたくさん出ています。
とはいえ1人で勉強するだけではモチベーションが下がってしまうかも。
将棋教室や地域の将棋サークルを見つけて、勉強したことをすぐに実践で試してみれば、将棋の楽しさがグッと広がるかもしれません。
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