江戸時代から続く大相撲の歴代横綱は73人。
近年の第68代横綱以降の6人のうち、なんと5人はモンゴル出身です。
圧倒的な強さを見せるモンゴル出身横綱の特徴はどこにあるのでしょうか。
今回は、モンゴル出身横綱をご紹介。
各力士の記録や来歴、特徴も解説します。
モンゴル出身横綱一覧
まずはモンゴル出身横綱の一覧から。
近年の相撲ファンならお馴染みの名前がずらりと並びます。
代 | 四股名 | 部屋 | 出身 |
68代 | 朝青龍明徳 | 若松部屋→高砂部屋 | ウランバートル |
69代 | 白鵬翔 | 宮城野部屋 | ウランバートル |
70代 | 日馬富士公平 | 安治川部屋→伊勢ヶ濱部屋 | ゴビ・アルタイ県 |
71代 | 鶴竜力三郎 | 井筒部屋→陸奥部屋 | スフバートル県 |
73代 | 照ノ富士春雄 | 間垣部屋→伊勢ヶ濱部屋 | ウランバートル |
この間に入る茨城県出身の稀勢の里が72代横綱となったのは2017年1月。
朝青龍が横綱になった2003年3月から約14年間はモンゴル出身横綱しか誕生しなかったことになります。
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モンゴル出身横綱の記録や特徴
モンゴル出身の力士には実は大きな特徴があります。
それは大関に昇進した力士は必ず横綱まで上りつめるということ。
こうして誕生した歴代横綱をご紹介します。
朝青龍
朝青龍はモンゴル出身ですが、実はモンゴル相撲では少年相撲レベルで活躍していただけ。17歳のときには早くも明徳義塾高校に留学しています。
そして高校を中退し大相撲に入門。その後は数々のスピード記録を樹立しました。
初土俵から22場所で大関昇進(当時歴代1位 現在歴代2位)
初土俵から24場所で幕内初優勝(歴代1位)
初土俵から25場所で横綱昇進(歴代1位)
暴行事件のトラブルで引退に追い込まれてしまいましたが、それでも驚異的な強さを見せた朝青龍は平成の大横綱のひとりに数えられています。
本名 | ドルゴルスレン・ダグワドルジ |
生年月日 | 1980年9月27日 |
身長・体重 | 183.5cm 140.2kg |
初土俵〜最終場所 | 1999年1月〜2010年1月 |
生涯戦歴 | 669勝173敗76休 |
横綱在位 | 42場所 |
幕内優勝回数 | 25 |
白鵬
白鵬の父親はモンゴル相撲で5年連続6度の優勝をし、メキシコ五輪ではレスリングでモンゴルに初の五輪メダルをもたらした国民的英雄。しかし白鵬本人はモンゴル相撲の経験はほとんどありませんでした。
にもかかわらず19歳1か月での新入幕は外国人力士としては史上1位の若さ。
他にも白鵬は数々の記録を打ち立てました。
63連勝(歴代2位)
7連続優勝(朝青龍と並ぶ歴代1位)
通算勝星1187(歴代1位)
横綱勝率.875(15日制以降では歴代1位)
年間最多勝回数連続9年、通算10回(いずれも歴代1位)
長い間一人横綱として勝ち続けた白鵬は、他にも多くの勝ち星、勝率の歴代記録を保持。
長身ながら低く鋭い立ち回りで勝ち続けた白鵬は、平成の大横綱の筆頭となっています。
本名 | ムンフバト・ダヴァジャルガル |
生年月日 | 1985年3月11日 |
身長・体重 | 192cm 152.9kg |
初土俵〜最終場所 | 2001年3月〜2021年9月 |
生涯戦歴 | 1187勝247敗253休 |
横綱在位 | 84場所 |
幕内優勝回数 | 45 |
日馬富士
日馬富士は幕内で最も軽量な一人だったにもかかわらず横綱になった力士。
朝青龍の暴行事件による引退などもあり、外国人力士に対して横審の審査基準が厳しくなる中、貴乃花以来18年ぶりとなる2場所連続全勝優勝で文句なしの横綱昇進を果たしました。
日馬富士もまた暴行事件で引退に追い込まれた力士。
あの出来事がなければさらに活躍できたのにと多くの相撲ファンに悔やまれています。
本名 | ダワーニャム・ビャンバドルジ |
生年月日 | 1984年4月14日 |
身長・体重 | 186cm 133kg |
初土俵〜最終場所 | 2001年1月〜2017年11月 |
生涯戦歴 | 827勝444敗85休 |
横綱在位 | 31場所 |
幕内優勝回数 | 9 |
鶴竜
朝青龍、白鵬、日馬富士の父親がいずれもモンゴル相撲経験者なのに対して、鶴竜の父親は大学教授。本人もモンゴル相撲の経験はほとんどありませんでした。
中学生の頃にモンゴル出身力士のパイオニアである旭鷲山や旭天鵬の相撲中継を見て力士になることを決意。一度は相撲部屋の選考会に落選しましたが、相撲愛好会に決意文を送ってなんとか入門にこぎつけています。
その鶴竜は温厚で実直な人柄から力士らの信頼を集めた力士。
一方で度重なる怪我に苦しみ、横綱としての休場日数227日は歴代2位となっています。
本名 | アナンダ・マンガラジャラブ |
生年月日 | 1985年8月10日 |
身長・体重 | 186cm 150kg |
初土俵〜最終場所 | 2001年11月〜2021年3月 |
生涯戦歴 | 785勝497敗231休 |
横綱在位 | 41場所 |
幕内優勝回数 | 6 |
照ノ富士
現役横綱である照ノ富士は17歳までスポーツと無縁だった人物。
2007年に日本に観光旅行に来たときに偶然相撲部屋を見学することになった彼はそこで相撲の魅力にはまり、鳥取の高校に相撲留学することを決めました。
その照ノ富士もいくつかの記録を持っています。
史上初の序二段陥落からの横綱更新
関脇2場所で大関昇進(15日制以降史上唯一)
大関2場所で横綱昇進(年6場所制以降歴代1位)
年間最多勝決定スピード記録(歴代1位タイ)
この年間最多勝決定は9月場所の13日目。同じ記録で並んでいるのは実はいずれもモンゴル出身の朝青龍と白鵬です。
本名 | ガンエルデネ・ガントルガ |
生年月日 | 1991年11月29日 |
身長・体重 | 191cm 173kg |
初土俵〜最終場所 | 2011年1月〜 |
生涯戦歴 | 493勝257敗139休(2023年5月場所終了時点) |
横綱在位 | 12場所(2023年7月場所時点) |
幕内優勝回数 | 8 |
まとめ
さまざまな記録を持っているモンゴル出身の横綱。
2023年7月の名古屋場所では、モンゴル出身の霧島が新大関に昇進しました。
インタビューで彼は「モンゴル出身の大関は全員が横綱になっていることをモンゴルの大半の人が知っている」と語っています。
朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士に続き、6人目のモンゴル出身横綱が誕生するのかにも注目です。
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