サッカー選手を表彰する賞にはさまざまな種類がありますが、その中でも最も有名なものがバロンドールです。
とはいえ「バロンドールって何?」「誰が選んでいるの?」と疑問に思う方も多いはず。
今回は、サッカーのバロンドールをご紹介。
歴代受賞者一覧や最多受賞者、投票ルールについても解説します。
【サッカー】バロンドールとは
バロンドールは、サッカーの年間最優秀選手賞のこと。
1956年にフランスのサッカー専門誌「フランス・フットボール」が創設しました。
フランス語で「Ballon d’Or」は「黄金の球」という意味。受賞者には黄金のサッカーボール型のトロフィーが贈られます。
選出方法
バロンドールは1年間の成績が対象。「フランス・フットボール」が選定した30名の候補者の中から、全世界の主要なサッカー記者の投票で受賞者が決まります。
記者は1位から5位までを投票。1位6点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点の得点が与えられ、その合計点で最優秀選手が決定します。
なお長い間ヨーロッパのクラブに所属する選手だけが対象でしたが、2007年からは対象を全世界に拡大しています。
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他の個人賞との比較
サッカー界の主な個人賞には「FIFA最優秀選手賞」と「UEFA欧州最優秀選手賞」もあります。
FIFA最優秀選手賞は、1991年に国際サッカー連盟(FIFA)が創設した賞。
FIFA加盟国の代表監督と主将の投票によって候補者10名の中から決まります。
もう一方のUEFA欧州最優秀選手賞は、2011年に欧州サッカー連盟(UEFA)が創設した賞。
こちらはジャーナリストとチャンピオンズリーグ(CL)・ヨーロッパリーグ(EL)に出場した監督の投票によって決定します。
なお2010年から2015年まではバロンドールとFIFA最優秀選手賞が統合されてFIFAバロンドールという名称になっていました。
このときは各国のジャーナリストに加えて各国代表チームの監督と主将、合計約400名が投票を行うという選考方法。
しかしこの選考方法に対してUEFAの元会長のミシェル・プラティニ氏は「客観性がない」と批判しました。またバロンドールの対象が全世界に広がったこともあって、改めてヨーロッパのクラブの選手のみを対象にした「UEFA欧州最優秀選手賞」が誕生したのです。
そして2016年には統合されていた「バロンドール」と「FIFA最優秀選手賞」が再び独立。その結果、3つの世界的な個人賞が存在することになっています。
【サッカー】バロンドール 歴代受賞者
続いては、バロンドールの歴代受賞者と受賞回数ランキングをご紹介します。
歴代受賞者一覧
こちらが1956年から2022年までの受賞者一覧です。
受賞年 | 選手名 | 国籍 |
1956年 | スタンレー・マシューズ | イングランド |
1957年 | アルフレッド・ディ・ステファーノ | スペイン |
1958年 | レイモン・コパ | フランス |
1959年 | アルフレッド・ディ・ステファーノ | スペイン |
1960年 | ルイス・スアレス | スペイン |
1961年 | オマール・シボリ | イタリア |
1962年 | ヨセフ・マソプスト | チェコスロバキア |
1963年 | レフ・ヤシン | ソ連 |
1964年 | デニス・ロー | スコットランド |
1965年 | エウゼビオ | ポルトガル |
1966年 | ボビー・チャールトン | イングランド |
1967年 | フロリアン・アルベルト | ハンガリー |
1968年 | ジョージ・ベスト | 北アイルランド |
1969年 | ジャンニ・リベラ | イタリア |
1970年 | ゲルト・ミュラー | 西ドイツ |
1971年 | ヨハン・クライフ | オランダ |
1972年 | フランツ・ベッケンバウアー | 西ドイツ |
1973年 | ヨハン・クライフ | オランダ |
1974年 | ヨハン・クライフ | オランダ |
1975年 | オレグ・ブロヒン | ソ連 |
1976年 | フランツ・ベッケンバウアー | 西ドイツ |
1977年 | アラン・シモンセン | デンマーク |
1978年 | ケビン・キーガン | イングランド |
1979年 | ケビン・キーガン | イングランド |
1980年 | カール・ハインツ・ルムメニゲ | 西ドイツ |
1981年 | カール・ハインツ・ルムメニゲ | 西ドイツ |
1982年 | パオロ・ロッシ | イタリア |
1983年 | ミシェル・プラティニ | フランス |
1984年 | ミシェル・プラティニ | フランス |
1985年 | ミシェル・プラティニ | フランス |
1986年 | イゴール・ベラノフ | ソ連 |
1987年 | ルート・フリット | オランダ |
1988年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ |
1989年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ |
1990年 | ローター・マテウス | ドイツ |
1991年 | ジャン・ピエール・パパン | フランス |
1992年 | マルコ・ファン・バステン | オランダ |
1993年 | ロベルト・バッジョ | イタリア |
1994年 | フリスト・ストイチコフ | ブルガリア |
1995年 | ジョージ・ウェア | リベリア |
1996年 | マティアス・ザマー | ドイツ |
1997年 | ロナウド | ブラジル |
1998年 | ジネディーヌ・ジダン | フランス |
1999年 | リバウド | ブラジル |
2000年 | ルイス・フィーゴ | ポルトガル |
2001年 | マイケル・オーウェン | イングランド |
2002年 | ロナウド | ブラジル |
2003年 | パベル・ネドベド | チェコ |
2004年 | アンドリー・シェフチェンコ | ウクライナ |
2005年 | ロナウジーニョ | ブラジル |
2006年 | ファビオ・カンナバーロ | イタリア |
2007年 | カカ | ブラジル |
2008年 | クリスチアーノ・ロナウド | ポルトガル |
2009年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2010年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2011年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2012年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2013年 | クリスチアーノ・ロナウド | ポルトガル |
2014年 | クリスチアーノ・ロナウド | ポルトガル |
2015年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2016年 | クリスチアーノ・ロナウド | ポルトガル |
2017年 | クリスチアーノ・ロナウド | ポルトガル |
2018年 | ルカ・モドリッチ | クロアチア |
2019年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2020年 | 中止(新型コロナウィルスの影響) | |
2021年 | リオネル・メッシ | アルゼンチン |
2022年 | カリム・ベンゼマ | フランス |
前述のように2010年から2015年まではFIFAバロンドールでした。
受賞回数ランキング
サッカー選手の世界一であるバロンドールを受賞するのはまさに至難の業。
ではその受賞回数ランキングはどのようになっているのでしょうか。
順位 | 選手名 | 回数 | 受賞年度 |
1位 | リオネル・メッシ | 7 | 2009〜2012,2015,2019,2021 |
2位 | クリスチアーノ・ロナウド | 5 | 2008,2013,2014,2016,2017 |
3位 | ミシェル・プラティニ | 3 | 1983,1984,1985 |
ヨハン・クライフ | 3 | 1971,1973,1974 | |
マルコ・ファン・バステン | 3 | 1988,1989,1992 | |
6位 | フランツ・ベッケンバウアー | 2 | 1972,1976 |
ロナウド | 2 | 1997,2002 | |
アルフレッド・ディ・ステファノ | 2 | 1957,1959 | |
ケビン・キーガン | 2 | 1978,1979 | |
カール=ハインツ・ルンメニゲ | 2 | 1980,1981 |
リオネル・メッシ選手はなんと7回、クリスチアーノ・ロナウド選手も5回と、現代のスーパースターがトップ2に立っています。
さらにこの2人はお互いが受賞した年にもう一方の選手が2位に入っていることがほとんど。もしどちらか1人が存在しなかったら、もう1人の受賞回数は10回を超えていた可能性もあります。
まとめ
これまでは1月から12月の1年間を対象としていたバロンドール。
2022年からは欧州サッカーのシーズンと同じ、前年8月から翌7月へと対象期間が変更になっています。また合わせて、選手の過去の名声や実績については考慮しないことなどが確認されました。
これは2021年のメッシ選手の受賞について、「この年の活躍でいえば他の選手の方が上だったのでは?」と疑問の声が上がったから。
この変更を受けて行われた2022年のバロンドールは、レアル・マドリードのカリム・ベンゼマ選手が圧倒的得票で選ばれました。
そして23年のバロンドールは、22年ワールドカップカタール大会の成績も選考要素になります。
ワールドカップの最優秀選手に選ばれたメッシ選手はバロンドールの自己記録を更新できるのか。次回以降のバロンドールにも注目が集まります。
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