サッカーのニュースでは度々、移籍について注目されることがあります。
選手が違うチームに移動するということは知っていても、詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
さらに、移籍には様々な種類があることもご存知でしょうか。
今回はその中でも「レンタル移籍(期限付き移籍)」について解説します。
レンタル移籍(期限付き)とは
「レンタル移籍(期限付き)」とはどういった移籍なのでしょうか。
「レンタル移籍(期限付き)」とはその名の通り、現在所属しているクラブの契約を保持した状態で、期限・期間を定めて他のクラブへ移籍することです。
つまり、その期限が過ぎると契約を保持している移籍元のクラブへ帰ることになります。
通常のイメージされる「完全移籍」は「選手の保有権が完全に移籍元のクラブから移籍先のクラブへ移すこと」であるため、完全移籍とは異なる部分が出てきます。
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完全移籍とレンタル移籍(期限付き)の違い
完全移籍とレンタル移籍(期限付き)にはどういった違いがあるのでしょうか。
大きな違いは「お金の面」と「選手の保有権」です。
まず、完全移籍には「移籍金」が関係していきます。
前所属クラブとの契約が残っている場合は移籍金が発生し、前所属クラブとの契約が切れている場合は移籍金が発生しません。
移籍金はその選手の年棒の約5〜10倍の金額を払うことが相場です。
そのため、完全移籍の場合は「移籍金+選手年棒」が発生します。
さらに、選手の保有権が変わるため、移籍先のクラブとの契約期間が長期で契約されることになります。
それと比べて、レンタル移籍(期限付き)は、移籍金ではなく、移籍先のクラブは移籍元のクラブに対しての貸与料を支払うことになります。
その貸与料は、移籍金よりも安価のため、移籍先のクラブの出費がかなり減ります。
しかし、選手の保有権は移籍元のクラブが所持しているものの、選手の年俸は移籍先のクラブが支払う必要があります。
期限付きであるため、契約期間は短期となる場合が多い傾向にあります。
レンタル移籍(期限付き)の種類
レンタル移籍(期限付き)にはいくつか種類があります。
それぞれ紹介します。
育成型
育成型のその名の通り、育成を目的としたレンタル移籍(期限付き)となります。
18〜23歳の選手に対して、契約している所属クラブより下位カテゴリー(J1であればJ2やJ3)のクラブに期限付きで移籍させることです。
この移籍は移籍期限外で移籍をすることができます。
この育成型期限付き移籍は2013年シーズンから試験的に導入されました。
これを導入した背景には2016年に再開されたトップチームの若手育成大会である「Jサテライトリーグ」が2009年に廃止されたことがあります。若手選手の出場機会が大幅に減ってしまったため、公式戦での実戦経験を積むことを目的として導入されました。
この育成型期限付き移籍はその選手の保有権を持つクラブが移籍期限外でも選手を戻すことが可能です。
例えば、移籍元のクラブに負傷者などで欠員が出た場合、移籍先からその選手を戻すことができます。
高卒でプロになった選手は実戦経験を積むためにこの育成型期限付き移籍で経験を積むことが多い傾向にあります。
買い取りオプション付き
この買い取りオプション付きの移籍は、移籍の期限が終了した後に移籍金を支払い、その選手を完全移籍で獲得することができる移籍です。
このオプション付き移籍で移籍していない場合は、期限が終了すると無条件で移籍元に選手が戻ります。
レンタル移籍(期限付き)の利点
レンタル移籍(期限付き)には様々な利点があります。
選手側とクラブ側の目線に分けて解説します。
選手側の利点
レンタル移籍(期限付き)における選手側の利点には「出場機会が増え、自分をアピールすることができる」点にあります。
選手は試合に出場することでしか、自分の価値を表現することができません。
さらには、実戦から離れてしまうと勘が鈍ってしまいます。
そのため、選手は試合に出ることができるレンタル移籍(期限付き)を選択する場合があります。
クラブ側の利点
移籍先のクラブは完全移籍と比べてかなり安く有望な選手を獲得することができます。
完全移籍となる前に、クラブと選手がフィットして活躍してくれるのかを試すこともできる点もクラブにとっては利点です。
移籍元のクラブは選手が異なる環境で経験を積み成長して戻ってくることが利点になります。
レンタル移籍(期限付き移籍)にはデメリットも!?
レンタル移籍(期限付き)も利点だけでなく、デメリットもあります。
こちらも選手側とクラブ側の目線に分けて解説します。
選手側のデメリット
レンタル移籍(期限付き)は半年・1年で移籍期間を終了するケースが多い傾向にあります。
そのため、移籍元のクラブに戻れたとしても、すぐに別のクラブへレンタル移籍(期限付き)することも少なくありません。
毎年クラブが変わるなどのたらい回し状態になる選手も中にはいます。
クラブ側のデメリット
選手の保有権が移籍先のクラブではないので、移籍後、選手が成長し化けたとしても、来シーズンには移籍元のクラブに戻るということが発生します。
その分、移籍先のクラブは戦力ダウンとなるため、デメリットとなります。
まとめ
今回はレンタル移籍(期限付き)について解説しました。
日本人選手が海外移籍する際には、このレンタル移籍(期限付き)で移籍するケースが多い傾向にあります。
選手・クラブにとって良い結果となる移籍がこれからも続くことに期待です。
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