スポーツと言った時に、外に出て体を動かすことだと考える人は多いことでしょう。
子供の頃、家の中でゲームばっかりしていないで外で遊びなさい!と叱られたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
軽いウォーキングから、ジムでの筋肉トレーニングに、海で泳ぐことやスキーのジャンプまで。世の中には、屋内屋外問わず様々なスポーツがあって、テレビ中継やインターネット、新聞など様々な場所で私達の目に触れる機会があります。
しかし、世の中にスポーツと呼ばれるものは、体を動かして目に見える“運動”をするものばかりではありません。近年多くの人に周知されつつある頭脳のスポーツ、eスポーツもまた立派なスポーツの一種なのです。
体力はないし運動神経も悪いから、普通のスポーツは苦手。でもeスポーツなら自分にもできるかも?そう思っている人もいるのではないでしょうか。
今回はそんな、eスポーツのプロ選手になるための方法をご紹介します。
eスポーツ|定義
eスポーツとは、そもそも何の略なのか、皆さんはご存知でしょうか。これは“エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)”の略で、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称を指しています。
ストリートファイターのような格闘ゲーム、ぷよぷよやテトリスのようなパズルゲームが正式に種目として採用されており、日本人も多く活躍していることもあって多くの人に馴染み深いものであることでしょう。
eスポーツという名称が使われるようになったのが2000年以降ということもあり、大きく周知されるようになったのは最近というイメージがあるかもしれません。しかし、実際その歴史は古く、最古のeスポーツ大会はなんと1972年に開催されているのです。
テレビゲームの隆盛とともにeスポーツという競技そのものの人気が高まり、今や海外では大きな規模の大会になると1万人を超える観客が大きな会場を埋め尽くすこともあると言われています。
eスポーツ|向いている人
では、そんなプロのeスポーツ選手、プロゲーマーに向いているのはどのような人なのでしょうか?
他の運動系のスポーツとは、また違った素質が求められることは言うまでもありませんが、他のスポーツ選手と共通している点があるのも事実なのです。
例えば、真摯に練習に取り組む姿勢とスポーツマンシップ。プロゲーマーもまた、多くの競技のアスリートたちと同じように試合に向けて連日訓練を行う必要があります。
同時に、試合中も対戦相手への敬意を払った行動をとるなど、常にトップアスリートとしての高い意識を持つ必要があるのです。ただゲームが好きだから、だけではなくプロとして相応しいストイックさと品性が必要になってくるのです。
また、趣味でゲームをするのであれば、「もうクリアしたし、飽きたからやめた!」といつでも終わりにすることが可能ですが、プロゲーマーはそういうわけにはいきません。飽きてしまっても根気強く、スポンサーが望んでいるゲームをプレイし続けなければいけないのです。
裏を返せば、一つのことをコツコツと地道に続けることができる人は、プロゲーマーに向いているとも言えるでしょう。
また、この職業には強いメンタルが求められることも覚えておかなければなりません。表舞台で活躍することが多いプロゲーマーは、仕事の性質上批判を浴びせられることも少なくないのです。
例えブーイングを浴びることがあっても、ネットで批判されるようなことになっても、折れずに戦い続けることのできる意志の強さや自己肯定感の強い人は、プロゲーマーへの適性があると言えるでしょう。
eスポーツ|必要なもの
では、そんなeスポーツの選手になるためには、どうすればいいのでしょうか。この職業は、何かの運転免許証などの特別な資格が必要なものではありません。中には、独学でプロを目指すという人もいます。
しかし、近年はeスポーツ選手に必要な技術を学ぶことのできる専門学校や講座が数多く存在しています。中には高校から専門の学科を設けているケースもあります。学校によって2年制から4年制までと学ぶ年数は変わってきますが、効率的に多くのスキルや知識を学べるため非常に有効であると言えます。
特に若いうちからこの道を志している人は、早いうちからこういった学校に通い、必要な技術を学ぶのがいいでしょう。また、学校によってはeスポーツ選手のみならず、eスポーツに関わる他の職業の知識を学べるケースもあります。
ちなみに、eスポーツ選手は特に資格がなくてもなることができると述べましたが、ライセンス制度というものが存在しており、ライセンスを取得しているとプロとして活躍しやすくなるという側面があります。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が発行しているライセンスであり、ライセンスの種類も3種類存在しています。
それぞれe-Sports・プロライセンス、e-Sports・ジュニアライセンス、e-Sports・チームライセンスと呼ばれています。プロライセンスはプロゲーマーとして認定された証となるライセンスであり、これを取得していると日本eスポーツ連合が主催している大会にプロとして参加することができます。
ジュニアライセンスはその名の通り、13歳から15歳の子供が対象となるライセンスです。義務教育を終えていない子供であっても、一定の条件を満たしていてかつ親権者の同意を得られれば、ライセンスを発行してもらうことができるのです。
そして、最後のチームライセンスは法人向けのライセンス。日本eスポーツ連合が十分な実績があると認めた上で、公認プロライセンス発行が妥当だと判断した場合、チームとして取得することができるライセンスとなっています。
eスポーツ|プロの年収
eスポーツ選手の平均年収は、おおよそ400万円から1000万円までと大きくバラつきがあります。
運動神経が悪くても、大好きなゲームをやって稼げる仕事だから自分にもできそう、と安易に考えていると痛い目を見ることになるでしょう。実際、トップで安定して稼ぐことができる選手は一握りです。
常に大会で結果を出し続けなければいけませんし、日々技術を磨くために努力を重ね、常にゲームのことを考えて生活する根気強さが求められることでしょう。趣味でやっているうちは楽しかったのに、職業になった途端辛くなってしまった、という人も少なくはありません。
さらに、スポーツアスリートと同じような集中力や精神力、動体視力や判断力なども必要となってくることでしょう。格闘ゲームでもシューティングゲームでも、素早く判断を下し即座に必要なコマンドを打ちこむ、という瞬発力が求められます。アスリートと同じような素質が求められる面もあるのです。
実際に世界で勝ち続けることは簡単なことではなく、e-Sports選手の寿命は20代後半から30代前半とも言われています。
ですが、裏を返せば若年層が活躍しやすいジャンルでもあり、子供から大人まで体格や学歴、性別に囚われず対等に戦える職業であるとも言えるでしょう。今後のオリンピック・パラリンピックでの新種目としても採用が検討される動きもあり、より人気が高まっていくことは間違いありません。
既に日本人でも、多くの人がプロゲーマーとして活躍しており、ライセンスを持っている人だけでも240名前後にもなると言われています。ライセンスを所持していないプロゲーマーを含めれば1000人にも上るとされています。
さらに、プロでなくてもeスポーツを楽しんでいる競技者を含めれば、日本人だけで脅威の360万人程という数字もあります。
これからさらに盛り上がりを見せていく職業であることは、間違いないと言っていいでしょう。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
運動神経は悪いけれど、ゲームへの愛とコツコツやる集中力なら誰にも負けない!という人はこの職種に向いている可能性があります。
ゲームの数と競技人口とともに、ますます人気が高まっていくであろうeスポーツの世界。
興味を持った方は是非チェックしてみるといいでしょう。
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