サッカー日本代表にとって監督は大切な顔。
「〇〇ジャパン」と監督の名前で呼ばれるほど、重要な存在です。
近年はFIFAワールドカップ本戦出場の常連国となったサッカー日本代表。
しかし振り返れば、サッカー日本代表は世界の壁に跳ね返され続け、ようやく現在の位置にたどり着いたのです。
その日本代表を率いてきたのが歴代の監督。
いったいどのような監督がいたのでしょうか。
今回は、サッカー日本代表の歴代監督を一覧でご紹介。
代表的な監督の特徴と実績も解説します。
【サッカー】日本代表歴代監督一覧
まずは日本代表監督の一覧から。
日本代表監督については、日本サッカーのプロ化以前とプロ化以後で大きく意味合いが異なります。
プロ化以前
Jリーグがスタートし、日本サッカーがプロ化する以前の日本代表監督は、アマチュア全国リーグのJSLから出向していました。
その給料は所属企業が支払っていて、JFA(日本サッカー協会)からの手当はゼロ。
JFA側は日本代表監督就任を求める際、「日本代表監督を辞めた後に企業に戻れる確約を得てから就任してください」と求めていたそうです。
この当時の歴代監督は以下の通り。
名前 | 年 |
佐々木等 | 1921 |
西田満寿次郎 | 1923 |
山田午郎 | 1925 |
鈴木重義 | 1930 |
竹腰重丸 | 1934 |
鈴木重義 | 1936 |
竹腰重丸 | 1938-1940 |
工藤孝一 | 1942 |
二宮洋一 | 1951 |
竹腰重丸 | 1951-1956 |
高橋英辰 | 1957 |
川本泰三 | 1958 |
竹腰重丸 | 1958-1959 |
高橋英辰 | 1960-1962 |
クラマー(代行監督) | 1960 |
長沼健 | 1962-1969 |
岡野俊一郎(代行監督) | 1969 |
岡野俊一郎 | 1970-1971 |
長沼健 | 1972-1976 |
二宮寛 | 1976-1978 |
下村幸男 | 1979-1980 |
渡辺正 | 1980 |
川淵三郎 | 1980-1981 |
森孝慈 | 1981-1985 |
石井義信 | 1986-1987 |
横山謙三 | 1988-1992 |
サッカー日本代表は1917年に初めて結成されましたが、その当時の監督は不明。
1927年ごろの監督も不明となっています。
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プロ化以後
Jリーグ発足後は日本代表監督もプロ化。
以後は海外の有名監督も高い年俸で招致できるようになりました。
その監督一覧がこちら。
名前 | 国籍 | 年 |
ハンス・オフト | オランダ | 1992-1993 |
ロベルト・ファルカン | ブラジル | 1994 |
加茂周 | 日本 | 1994-1997 |
岡田武史 | 日本 | 1997-1998 |
フィリップ・トルシエ | フランス | 1998-2002 |
ジーコ | ブラジル | 2002-2006 |
山本昌邦(代行監督) | 日本 | 2002 |
イビチャ・オシム | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 2006-2007 |
岡田武史 | 日本 | 2007-2010 |
大木武(代行監督) | 日本 | 2009 |
原博実(代行監督) | 日本 | 2010 |
アルベルト・ザッケローニ | イタリア | 2010-2014 |
ハビエル・アギーレ | メキシコ | 2014-2015 |
ヴァイッド・ハリルホジッチ | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 2015-2018 |
西野朗 | 日本 | 2018 |
森保一 | 日本 | 2018- |
この中で契約時の年俸が最も高かったのはハリルホジッチ監督。
その年俸は200万ドル(約2億7000万円)とされています。
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【サッカー】日本代表歴代監督の特徴と実績
近年は特に国際色豊かなサッカー日本代表監督。
歴代の監督の中から、特筆すべき人物をご紹介します。
長沼健
日本のサッカーが世界にほとんど通用しなかったプロ化以前の長い時代に、最も大きな実績を残したのが長沼健氏。
1962年、まだ現役選手だった長沼健氏は33歳の若さで日本代表監督に抜擢されました。選手の人望も厚い長沼氏はチームを上手くまとめ、1964年には東京オリンピックの対アルゼンチン戦で歴史的な勝利を達成。1968年にはメキシコオリンピックで日本を銅メダルに導きました。
国際Aマッチの通算成績は、73試合で34勝13分26敗。
長沼健監督の就任が日本サッカー近代化のスタートだったと言われています。
ハンス・オフト
プロ化以後初の監督に就任したハンス・オフト氏は、1994年のFIFAワールドカップ本戦にあと一歩で出場できなかった「ドーハの悲劇」の監督として知られています。
プレーを言語化し、整理したのがオフト監督の業績。
勝利を重ねる日本代表が「オフトマジック」と呼ばれたのに対して、彼は「マジックではなくロジックだ」と返しています。
国際Aマッチの通算成績は、27戦16勝7分4敗でした。
岡田武史
日本が初めてワールドカップに出場を果たした1998年のフランス大会。
岡田武史氏はアジア最終予選の途中にコーチから監督に昇格し、「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれたイランとの代表決定戦で日本に劇的な勝利をもたらしました。
さらに2008年にはオシム監督の後を受けて急遽監督に再就任。日本を4大会連続のワールドカップに導くと、本大会では自国開催以外では初となる決勝トーナメント進出を達成しました。
岡田監督の理想は、日本人が世界で勝つためのプレーモデルを作り、それを落とし込んで、あとは自由に動けるチームを作ること。
その理想のために「岡田メソッド」を確立しました。
国際Aマッチの通算成績は、64戦31勝16分17敗です。
フィリップ・トルシエ
日本中がサッカーに沸いた2002年ワールドカップ日韓大会で指揮を執ったのがフィリップ・トルシエ監督。
グループリーグではベルギーと引き分け日本にワールドカップ初の勝点をもたらし、続くロシア戦では歴史的な初勝利を記録。第3戦ではチュニジアを下し、初の決勝トーナメント進出を決めました。
トルシエ監督は、A代表に加えて五輪代表、U-20代表も指揮。1999年にはU-20代表をワールドユース準優勝に導いています。さらに2000年のシドニー五輪ではベスト8に進出し、アジアカップでは見事に優勝。
その手腕を高く評価されました。
彼の代名詞は「フラットスリー」。
最終ラインの3人をフラットに並べてラインを押し上げ、コンパクトな陣形を保つ戦術を得意としていました。
国際Aマッチの通算成績は、50戦23勝16分11敗です。
ジーコ
2002のワールドカップ終了後に日本代表監督に就任したジーコ監督は、それまで監督経験が無かった人物。
しかしアジアカップ2004に優勝し、FIFAコンフェデレーションズカップ2005ではブラジルと引き分けるなど優秀な結果を残しました。
4年間監督を務め、ドイツW杯予選は世界最速で突破。
日本代表監督としての通算成績は72戦37勝16分19敗です。
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イビチャ・オシム
オシム監督はジェフユナイテッドでの実績によって抜擢された監督。
やみくもに走るサッカーではなく思考した上で走る「考えるサッカー」を浸透させました。
哲学者のような言葉は「オシム語録」とも呼ばれ流行。
通算成績は2戦12勝5分3敗でした。
アルベルト・ザッケローニ
ザッケローニ監督は2010年に監督に就任。
代表監督初采配の国際親善試合でアルゼンチンに日本代表史上初めての勝利をもたらしました。
さらにAFCアジアカップでも優勝。5大会連続のワールドカップ出場を決めましたが、本戦ではグループリーグ敗退となりました。
通算成績は55戦30勝12分13敗でした。
森保一
現役時代に日本代表として活躍し、「ドーハの悲劇」も経験している森保一氏は、2023年現在も現役の代表監督。
2012年にサンフレッチェ広島の監督に就任し、1年目にクラブ初のリーグ優勝を達成。翌2013年、2015年にも優勝を決めると、その手腕を評価されて2017年に東京五輪を目指すチームの監督に就任しました。
そして2018年には東京五輪代表監督との兼任で日本代表監督にも就任。
東京五輪では日本チームを4位に導き、ワールドカップ2022アジア予選でも中盤以降の6連勝で巻き返し、7大会連続のワールドカップ出場を決めました。
組織を重視しながら選手の個性を生かす戦術が得意。
ワールドカップ本戦では大胆な戦術でドイツ戦、スペイン戦の大金星を演出しました。
国際Aマッチの通算成績は、2023年8月時点で62戦41勝9分12敗。
勝率66.1%は歴代監督の中でも1位となっています。
まとめ
数多くの人物が務めてきたサッカー日本代表監督。
ハンス・オフト氏が就任した当初、選手たちは「ここにボールが来たらどこに蹴れば良いですか?」と監督に訊き、「それを自分で考えるのがサッカーだろう」と呆れられていたそうです。
世界のサッカーでは幼いうちからサッカーの基本の「型」を習得し、あとはそれを基に自由なプレーをするのが常識。
そういった基本がなかった日本サッカーに勝てるための「型」を確立したのが岡田監督だったと言われています。
そのような歴史もあって徐々に成長してきた日本代表チーム。
現在の森保監督、そして未来の監督の下でどのようなプレーが見られるのか、楽しみは尽きません。
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